上司や主任など、会社での位が高くなると部下を持つ形となります。
上司になる以上、尊敬される存在でありたいですよね。
そのためには、現在の若手社員が求める理想の上司像を知っておく必要があります。
そこで本記事では、20年の歴史から「今の時代に求められる理想の上司?」についてまとめてみました。
20年の歴史で見る理想の上司像
20年と聞いて「短い」と感じる人もいれば、「長い」と感じる人もいるのではないでしょうか?
20年をどう捉えるかは人それぞれかもしれませんが、若手社員が求める理想の上司像は大きく変化しております。
産業能率大学が調査した「理想の上司を著名人に当てはめたら」というアンケートを行ったところ、2001年から2003年はタレントの北野武さんや野球監督の星野仙一さんが1位を占めていました。
出典元:週プレNEWS
同じく産業能率大学の調査結果によると、2009年から2011年は野球戦士のイチローさんやジャーナリストの池上彰さんが上位を占めています。
引用元:週プレNEWS
そして、明治安田生命が行った2019年から2021年の調査だと、3年連続お笑い芸人の内村光良さんが1位を占めていました。
※2019年※
引用元:明治安田生命
※2020年※
引用元:明治安田生命
※2021年※
引用元:明治安田生命
上記の結果を見て、「時代ごとでトレンドの著名人は違うから当然なのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。
確かに時代ごとでトレンドの著名人は異なります。
しかし、内村さんは最近ヒットした芸人というわけではなく、ひと昔前から有名な方です。
逆も然りで北野武さんやイチローさん、池上彰さんも人気が無くなったわけではなく、今でも見かけることは多いでしょう。
それにも関わらず、なぜ年代ごとに理想の上司の著名人は変化しているのでしょうか?
理想の上司像が変わる背景
理想の上司像が変わる背景は、ずばり働き方や社会情勢に対する考えが大きく関係しています。
-
20年前の考え
この時は、高度経済成長期やバブルを経験した人達が人の上に立って仕事を行う時代でした。
高度経済成長期やバブルといえば、まさに「仕事一筋」、「残業当然」という考えが根強かった傾向にあります。
それ故、上司も熱血指導をするような方が多く、同時に理想の上司として定着していました。
20年前の調査で理想の上司として挙げられた星野仙一さんも該当します。
星野さんといえば、監督時代にセカンドがエラーをしたらベンチを蹴り上げたり、時には選手に暴力をふるったりしていたことで有名ですよね。
現在で言うなら、パワハラ認定されてもおかしくはない言動です。
しかし、その反面、選手を見捨てるようなことはせず、最後まで面倒を見て上げる優しさも兼ね備えていました。
厳しさと優しさを持つ人に憧れる傾向から、星野仙一さんのような人を理想の上司に当てはめたのかもしれません。
-
10年前の考え
この時は、リーマンショックによる影響で世界は大きな不景気に見舞われました。
時代が混沌する中で「物事を冷静に判断して自分達を引っ張ってくれる存在」、すなわちカリスマタイプの上司が求められるようになります。
10年前の調査で理想の上司として挙げられたイチローさんや池上彰さんは、カリスマ性があることで知られております。
例えば、池上彰さんは時事ネタに関して豊富な知識をお持ちで、解説上手な事から「解説のカリスマ」と言われていたことで有名です。
世界規模の不景気が起きると、熱血根性論ではどうにもならないことがあります。
そのため、冷静な判断で部下を引っ張ってくれるカリスマ性、池上彰さんのような人が求められたと言えるでしょう。
-
現在の考え
リーマンショックを乗り越えたことやパワハラ問題による影響もあり、昨今では柔軟なタイプの上司が求められるようになっています。
それが親しみやすさです。
2018年~2020年の調査で1位を占めていた内村さんといえば、どことなく親しみやすさを感じ取れるような方ではないでしょうか。
星野さんのような熱血漢でなければ、池上さんのようなカリスマ性にフォーカスされているわけでもありません。
まるで、いつも身近に寄り添ってくれている存在です。
先輩や上司と身近な関係でありたいという気持ちの強さから、内村さんが選ばれたのだと考えられます。
理想でありたい!親しみやすい上司を目指すには?
このように、昨今で求められる上司のタイプは親しみやすさがあって、身近に居てくれるような存在である人が分かりました。
では、こうした上司を目指すにはどうすればいいのでしょうか?
本段落では、親しみやすくなるというポイントに着目して3つまとめました。
-
部下の話をきちんと聞いてあげる
話をきちんと聞いてあげられる上司は、部下からも慕われやすくなります。
例えば、部下が話をしているとき、途中で「これは違う」と思っても最後まで聞いてあげましょう。
話を途中で遮ってしまうと「話を聞いてくれない人」、「自分の意見しか考えていない」といった感じでマイナスな印象を与えてしまいます。
部下が間違った事を言った際には、もちろん指摘する必要があります。
ただ、話の途中ではなく、最後まで聞いた上で行うようにしましょう。
聞き上手になるだけでも、理想の上司に近付けますよ。
-
積極的に部下のサポートを行う
慕われる上司であるためには、部下のサポートも不可欠です。
部下は立場の関係もあって、自分から上司に「手伝ってください」とは中々言いにくいもの。
だからこそ、上司から積極的に部下をサポートしてあげる必要があります。
仕事の進捗状況や作業に支障が生じていないかなどを確認し、状況に合ったフォローをしてあげましょう。
上司に限らず、人というのは手を差し伸べてもらえると無条件で嬉しくなるものです。
気配りのできる上司を目指していきましょう。
-
感情的にならない
部下が思い通りに動いてくれないと、ついつい怖い顔で怒りたくなりがちです。
しかし、すぐ感情的になってしまうと、相手には悪い印象を与えてしまいます。
本段落のテーマである「親しみやすさ」も意識するとなおさらです。
部下を叱ったところで、あなたがスカッとするだけで物事の根本的な解決に繋がるわけではありません。
それどころか部下がやる気を失って、逆効果になる可能性が出てきます。
部下に注意するときは闇雲に怒るのではなく、「何が悪かったのか」を指摘し、同じ事が繰り返されないように努める必要があります。
まとめ
20年という間に、理想の上司像は度々変化しています。
現在は親しみやすさのある人が理想の上司として求められていますが、時代の流れにより変わる可能性はあります。
しかし、先の時代でも慕われる上司であるためには、まず今の時代で慕われる人物でいなければなりません。
本記事の内容を参考に、部下から愛される上司を目指してみてください。